こんにちは きたうら歯科クリニック院長の北浦です。
私は柏歯科医師会の会員ですが、会の中には委員会というものがあって、近隣市民の口腔衛生のために様々な活動や歯科的アプローチを行っています。中には行政と一緒に行うものもあります(詳細は柏歯科医師会のHPでご覧になれます)。
その中のひとつに妊婦歯科検診があります、妊娠中は生活習慣やホルモンバランスの変化などによって口腔内環境は悪化しがちです、妊娠前は問題なかったお口の中の清掃状況でも歯肉炎や歯周病を起こす事があります。
また、つわりがひどい場合などは十分な歯磨きがしにくくなるので歯周病を悪化させる事もあります。つわりがひどい場合などは
①刺激の少ない歯磨き粉にする、もしくは使わない。
②うがい薬などを併用する。
③ヘッドの小さい歯ブラシなどを使う。
④入浴中や好きな音楽を聴きながらなど環境を変化させる。
それでもつらいときは氷などをなめる(酸性の状態を薄められる)なども良いでしょう。
歯周病は細菌感染症です、炎症反応で産生されるプロスタグランジンなどは胎盤に影響し、早産や低体重児出産のリスクが非感染者と比較すると約10倍近く高まると報告されています。また歯周病だけではなく親知らずなども炎症を起こしやすくなります、安定期であれば抜歯などの歯科治療は可能ではありますが、使用できない鎮痛剤やストレスなどを考えると妊娠前にしっかり治療しておく必要があります。
妊娠中は普段とは違う環境です、体調と相談しながら定期的な検診をおすすめします。